スギヤマ薬品の薬剤師

 杉山貴紀は何故過労死
したのか?

 

 

平成17年3月30日第1回口頭弁論

 

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平成17年3月30日午前10:00、名古屋地方裁判所(写真)にて、父杉山正章が下記の上申書(一部抜粋)を読み上げました。
 

 

上 申 書


 

 平成十三年六月七日。あの日から、私と家族の人生が全て変わりました。
次男、貴紀が「業務上過労死」したからです。

 早くも貴紀が亡くなってから三年九ヶ月がたち、何人もの方々から様々な貴重な情報を頂き、又、多くの方々のお力添えを頂きながら、何とか自分の気持ちをここまで維持し続けることができました。

 企業殺人とも言える過労死により、将来を夢見ていた若者の人生を抹殺し、尚かつ、私共家族の夢まで踏みにじったスギヤマ薬品は、墓参りは勿論、上司が仏前に手を合わせることすら無く今に至っております。

 健康を謳い文句にしている企業でありながら、息子貴紀が過重な仕事が原因で死んでも「会社には責任が無い」との事。人道上、そんな企業は常識では考えられないし、到底許す事は出来ません。

 本人が使用していたロッカー内の「遺品」も、会社は「何も無かった。」と何ひとつ返してくれませんでした。
 一年以上も勤務して、ロッカーに何も無かったなど、絶対に信じる事は出来ません。例え片方の靴にしても、一枚のメモ書きにしても、遺族にとっては大切な大切な思い出の宝物なのです。
 私共の、再三の返還請求に対して、やっと、仕事に使っていた五冊の薬学の教科書を郵送して来ました。

 しかしスギヤマ薬品側は、「薬学の教科書が、私物保管を禁止してある会社の重要書類書庫に、自分で勝手に入れてあったので分からなかった」と、まるで貴紀が犯罪でも犯したかのような返答をしてきたのです。その非情な対応の仕方に、こんな不誠実極まりない会社の為に命を掛けて働いた貴紀が、本当に哀れでなりません。

 薬剤師が一人死んでも、会社の責任を認めず、利益さえ上がれば働いている社員の生命や健康は二の次という企業体質を私はどうしても許せません。

 まして、スギヤマ薬品は顧客の健康を守る事を「キャッチフレーズ」にして、薬品を販売する企業です。だからこそ、まず社員の健康を第一に考えるべきではないでしょうか。社員の健康も管理出来ずに、顧客の健康を守ることが出来るはずはありません。

 昨年の平成十六年十月十八日、豊田労働基準監督署長から、過労死との認定をいただきました。『貴紀がいのちを懸けた、仕事への責任感と過重労働が、認められたんだよ』、と仏前に涙の報告を致しました。

 スギヤマ薬品は、貴紀の死後、永覚店に監督署対策として、三名の薬剤師を配属しました。結果的に貴紀は三人分の仕事を一人でこなしていた事がわかります。永覚店では薬剤師の労働条件を改善したように見せかけていますが、会社としては基本的に何も改善しておりません。

 私共が聞き取り調査した貴紀の勤務状態と今も何ら変わる事無く、スギヤマ薬品は、豊田労働基準監督署長の労災認定すら認めず、何の反省も対策も立てておりません。

 貴裁判所の法的処置が取られない限り、改善される見通しはありません。

 「時が全てを解決させる。」と言いますが、私にとっては、時が経つほど貴紀を失った無念の気持ちが募ります。

 どうか、今後の日本を担う若者達の将来の為にも、また、同じ悲しみを繰り返す家族が出ませんよう、会社に対して猛省をうながす厳正な判決を強く望みます。

 棺に入れる時に、貴紀の目に溢れた無念の血の涙は、今も忘れる事は出来ません。

平成十七年三月三十日   
杉山 正章


 

 

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